木育と林業再生
もっと広がれ「木育」活動!株式会社東京・森と市庭(2013年創業、本社:東京、以下同社)は、林業再生へ向けて木材利用の新たな可能性を探ってきたそうです。同社は、社名の通り東京の豊富な森林資源、奥多摩地域に育つ杉や檜を建材や遊具として製材・加工を手掛けています。
林野庁データによると、1950年代半には90%以上の自給率を誇っていた我が国の木材自給率も安価な輸入材への依存度が徐々に高まり2000年頃には20%を切るところまで落ち込みました。その後少しずつ回復し、2022年には自給率40%位のところまで戻してきてはいます。しかし、森林資源は間伐、育成と管理、伐採、植樹という長年にわたるプロセスを経て林業として生かされるものですので、長期間放置された森林資源を生かし林業として再生するには、並大抵ではないほどの努力が必要となります。
同社は、創業以来様々な努力を重ねる中で単に森林資源を採取・加工して販売するだけではなく、遊具や学び舎を通じて子供たちに木材の持つ柔らかさや自然素材としての豊かさに触れてもらうことを大切にしているようです。このことはとても大切で、子供のころから自然や木材に触れ親しみ育まれた感覚は大人になっても変わらず体に浸み込んでいる筈で、林業の大切さをも併せて理解している筈です。
この文章を書いている2024年時点では、一ドル150円前後の円安、又安価な木材供給源の一つであった発展途上国の人件費も上昇してきていることもあり、日本の林業再生の好機でもあります。折々、同社所有の森林を解放して自然に対する子供の感性を育みつつ、国産の木材、木製遊具、木製おもちゃなどの製品を手掛ける同社の事業はとても貴重であり、同様の活動が全国に広がるとよいと思います。 同社の益々の活躍を祈念しています。(AS)