2024年6月3日月曜日

株式会社 ReBuilding Center JAPAN

文化を新しく作り直す

リサイクルの再定義
 
リサイクルという言葉を改めて調べてみると、広辞苑とAmerican Heritage Dictionaryには夫々、「資源の節約や環境汚染防止などのために、不用品・廃棄物などを再利用すること。」、「1. To put or pass through a cycle again, as for further treatment, 2. To reprocess and use again: recycle aluminum cans」とあります。我々日本人の感覚では、広辞苑の解釈が近いように思います。
 株式会社ReBuilding Center Japan(通称:リビセン、本社:長野県、以下同社)は、ウェブサイトのトップページで一度だけ「リサイクル」という言葉を使い自らを「古材と古道具を販売する建築建材のリサイクルショップを営んでいる」と述べておられますが、他の頁では一切この言葉を使わず、行き場を失ったものをレスキューして現代社会に合うように加工あるいは再配置することにより文化を見つめなおし新たな文化を創り出すことも試みているようです。同社ウェブサイトの「About Us」の頁に同社事業の考え方と方向性が簡潔に述べられていますのでここでは再掲しませんが、是非一度ご覧ください。
 筆者が同社に興味を抱いたのは、古い家の床板を取り外す作業をした後それを加工して他の用途を提案していくビジネススタイルを紹介するテレビ映像を見てのことでした。古物をそのまま奇麗にして再販するのもリサイクルならば、床板のように古くなった床板を加工して、木材として再利用するのもリサイクル、それをさらに加工して、例えばですが写真枠のようなものにして使うとか、小さな家具に作り直すのもリサイクルなのでしょう。しかし、ここで現代社会において使われる物、鑑賞される物に加工する工程が入ることで、廃棄される運命にあった材料が現代社会を生きる人々に喜ばれる物に生まれ変わることで生を吹き返す、そのプロセスは、冒頭の広辞苑に記された少々受け身な意味合いの「リサイクル」という言葉を、積極的に新しいものを生み出していくということに重点があるように変化させているように思います。これぞ真のリサイクルと思いますが、同社は、この言葉を殆ど使わず、社名にも「Rebuilding」という言葉を使用し、文字通りにそれを体現しつつあるようです。
  同社のような活動が今後全国各地で増えてくることを期待しつつ、その先頭を走る同社の益々のご活躍とご発展を祈ります。(AS)
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2024年5月27日月曜日

精密林業計測株式会社

森と人を繋ぐ

あらゆる森林情報をデジタル化する
 国土面積の7割が森林に覆われており森林資源の宝庫と言われてきた日本ですが、残念ながら木材輸入依存度がとても高く、林業がなかなか活性化しない国でもあります。
 何故林業が振るわないのか、その原因の一つに、輸入木材の浸透により国内森林情報の更新や現代林業のサプライチェーンに必要な情報とその解析が出来ていないことなどが挙げられています。
  精密林業計測株式会社(本社:長野県、創業:2017年、以下同社)は、「信州大学農学部森林計測・計画額研究室の森林資源情報解析技術を社会に生かす」ために創設されたそうです。同社ウェブサイトを拝見すると「あらゆる森林情報をデジタル化!森と人をつなぐ会社です」とあり、立木資源情報提供に始まり、防災や炭素固定、水源涵養など森林が持つ様々な機能に合わせた提案ほか、森林情報の新たな可能性をも探ってゆくそうです。
  同社は、林野庁が中心となって推進している「スマート林業」への貢献も掲げており、同社創業の原点となった信州大学は、スマート林業コンソーシアムのコアメンバーの一法人でもあります。 産官学連携による林業のスマート化が進むと共に同社の益々の活躍と発展を祈念しています。(AS)
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2024年5月25日土曜日

株式会社woodinfo

林業再生へ向けて

ICTで次世代の林業を切り拓く
 国土面積の7割が森林に覆われており森林資源の宝庫と言われてきた日本ですが、残念ながら木材輸入依存度がとても高い国でもあります。
 何故国産材が増えないのか、原因を辿れば、輸入材価格が圧倒的に安価であること、対して我が国の山林所有者の多くが小規模であることから、林道開拓をはじめとした流通網の改善等など様々な課題解決に向けた行動を起こしにくいことなどが挙げられています。
 woodinfo株式会社(本社:東京、以下同社)は、日本の林業を再活性化するための要がICT(情報通信技術)をフル活用したサプライチェーンにあるとし2011年に創業されました。同社のウェブサイトには、「情報をつくり、情報を活用する」という言葉があります。 林業を営むための根幹は、森林資源の質と量そしてその価値を把握すること、その森林資源を管理し、市場へのアクセスを効率的に行うことにあるはずです。同社の事業はこれら総ての領域でICTを活用することにより競争力のある林業再興に資することを目指しておられるようにお見受けしました。
 冒頭にも記しましたように、日本では、多くの山林が小規模所有の形態となっており、林業の規模を確保し効率化するためには集約作業は必須と考えられます。全国の林業事業者や山林所有者の方々が同社のシステムやプラットフォームを活用することにより仮想的にでも集約が進み日本の林業再生につながれば素晴らしいことです。同社の益々のご活躍を祈念しております。(AS)
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2024年5月18日土曜日

株式会社百森

魅力一杯の林業

山と人が共にある社会づくり
 兵庫県と鳥取県に接する位置にある岡山県西粟倉村、なだらかな多くの山に囲まれ一時は「消滅可能性」集落と言われた小さな山村、株式会社百森(創業:2017年、本社岡山県西粟倉村、以下同社)はそこにあります。
 都会から移住した若者によって設立された同社の代表者は東京都出身のITベンチャー企業に携わっていたそうで(出典:2024年5月16日東京新聞)、起業の発端は、村が2008年に掲げた「百年の森林構想」に基づき村が企画した企業スクールに参加したことが切っ掛けだそうです(出典:同上)。
 今は未だ従業員10名(2名のパートタイムを含む)と小規模ながら多面的な活動をされているようです。同社ウェブサイトからその活動ぶりを覗いてみると、先ず2600haを超える山林の調査・管理、森に触れる体験をするなどの様々な山林活用、森林管理業務管理システムのくみ上げとツールの販売、MFA(メディック・ファーストエイド)救急医療の訓練プログラム、地域企業や自治体が取り組む温室効果ガス排出量のJクレジット化を調査から申請までサポートする「ヤマカチ」と称するサービス、そして書店開業・運営と、とても僅か10名でよくここまでと感じるほど幅広く事業展開をしつつあるようです。
 これら何れの事業も、村の93%が森林で覆われている西粟倉村の森林の調査管理請負業務を軸として、村の「百年森林構想」を実現することにあるようです。東京新聞によれば、村が2008年にこの構想を掲げて以来、構想に賛同・共感した人々が集まり入り、同社を含めて既に50社を超える新規事業が展開されているとのこと。未来を見据えて大きなビジョンを掲げる村の施策も素晴らしいことですが、それに呼応するように村外から集まり新たな事業を立ち上げる人々が沢山いるということは本当に心強いことです。森林を維持管理し、その貴重な資源が次世代、次々世代へと受け継がれていくような社会づくりは、日本の未来を支える重要な仕事だと思います。村の発展と共に同社の益々のご活躍を祈ります。(AS)

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2024年5月13日月曜日

Planet Savers 株式会社

次世代に美しい地球を残す

二酸化炭素を回収する技術
 気候変動による地球温暖化が深刻になりつつある現代、その温暖化を加速化させる主たる原因として挙げられる温室効果ガス、とりわけCO₂吸着量を(二酸化炭素)を如何に削減するかが、毎日のように報道されています。CO₂を排出させない、あるいは排出量を大幅に削減することは重要な対策ですが、一方でなかなか減少しないどころか大気中のCO₂が増え続けている現実を踏まえたときに大気中のCO₂を直接回収(DAC:Direct Air Capture)する方法も世界中の多くの機関で研究・開発がなされているようです。
 日本におけるDAC分野の先進企業Planet Savers株式会社(創業:2023年、本社:東京、以下同社)は、現時点で$1000/t-CO₂近いと言われる回収コストを$100以下にする高性能低コストのDACシステムを開発中とのこと。
 同社の目指すDACシステムは、欧米企業と異なり「無機多孔質材料であるゼオライトをベースとした革新的な吸着剤を用いて大気中からCO₂を回収するDAC装置」にあるそうです。この技術により、①CO₂吸着量を増量、②CO₂脱離エネルギーを減少、③維持管理費を少なく、④建設費を減らす、という4つを実現できるとします。回収したCO₂は、濃縮して地中に埋めて隔離したり、水素と混ぜて合成燃料の原料としたり、あるいは「トマトの温室栽培での活用や、コンクリートに取り込んで固定化することを考えている」(2024年5月2日付東京新聞)そうです。
 2023年時点での世界におけるCO₂排出量は大よそ37Gトン(出典:Statista, G: 量の単位Gigaの略で10億を表す)と言われており、同社は、2050年までに1GトンのCO₂を回収することをヴィジョンに掲げています。同社活動には環境省をはじめ多くの大手企業が支援をしているようです。同社の益々のご活躍を祈念しています。(AS)

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2024年5月2日木曜日

セレンディクス株式会社

 家の概念が変わる!

世界最先端の住宅を普通乗用車並みの価格と納期で実現
 近年、世界的に3Dプリンターでつくる住宅が登場していますが、日本初の3Dプリンターによる専業住宅メーカ、セレンディクス株式会社(本社:兵庫県、創業:2018年、以下同社)が2022年3月に手掛けた、最初の3D住宅”Sphere”は、23時間12分という驚異的に短い工期を実現しています。これは当然のことながら建設時のエネルギー削減につながります。
 同社ウェブブサイトによると、「当社は、単一素材に、耐熱性、耐震性、耐久性などの複合技術を詰め込める世界最先端のディジタルデータ開発を行っています。建設用ロボットプリンターを用いた生産方式で大幅な建設コストの削減を実現するとともに、出力された家は、今までにないデザインと機能性を提供します。」とのこと。近年の環境にやさしい建材の登場により同社が作る3D住宅の環境負荷は一層低減されることとなります。
 気になる価格ですが、同社製最先端3D住宅は普通乗用車一台分相当だとのことで、その工期も数日ということです。土地さえ確保できていれば家自体の購入は、正に車を購入する手軽さであることに驚きを禁じえません。
 創業から僅か4年足らずで日本における最初の3Dプリンター住宅を実現し、その後も国内販売実績を積み上げている同社は、今年(2024年)2月にウクライナ復興住宅の建設を3Dプリンター技術で支援することを発表しており、創業当初からのスピード感ある事業展開にはかなりの加速度がついているようです。上述の日本発の3D住宅”Shere”実現までの協力法人数は日本、米国、オランダ、中国の4カ国を中心とし80を超えるそうです。多国籍で多くの協力者をまとめ上げる同社の力は相当なものと拝見しました。同社の登場は、”家”というものの概念を変えるだけではなく、世界に散在する知を結び付け新たな知を創造し、社会を変える力に繋がるのではないかという力強さを感じます。同社の益々の発展を祈っております。(AS)

2024年4月20日土曜日

株式会社MizLinx(ミズリンクス)

 健全な海洋活動を支援し持続可能な未来へ

海の課題を可視化する
 我々が住む地球上で様々なものや事象が急速に可視化されつつある現代、その表面積の7割を占める海については未だ分からないことだらけという現実があります。その「海を科学的に解明することを通じて、海洋と人類の共生に貢献し、持続可能な未来を実現することを目的」に2021年、慶應義塾大学大学院在学中の学生が立ち上げたのが株式会社MizLinx(本社:東京、以下同社)です。
  同社ウェブサイトに記述される事業内容には「海洋観測システムの開発・販売/海洋データ分析支援/海洋コンサルティング/フィールドロボット開発」とあります。その中で既に商用中のMizLinx Monitorは従来機器の価格を大きく下回る価格でオーダーメイドにも対応、その機能は、高画質映像・画像、水温、溶存酸素、塩分、ph、濁度、クロロフィル、流向・流速などのデータを取得できるそうです。既に商用中のMizLinxは、福島県いわき市、静岡県沼津市、香川県東かがわ市などの養殖場でモニタリング・データ取集に供しているそうです。とりわけ沼津市における海上養殖場ではマアジの大量死に繋がった貧酸素水塊の移動を分析しマアジの大量死防止策に繋げる取り組みを推進中だそうです(PRTIMESより)。更に同社は、国内水産業のみならず海外、特に東南アジアにも活動を広げつつあるようです。
  水産業に製品・サービスを提供するのみならず、水産業の課題解決に興味を持つ研究受託の仕事も多いそうですが、同社の視線はその更に先を見据えて、ゆくゆくは気候変動に対するアプローチや海底探査をも視野に入れているそうです。  遠くの大きな目標を見据えつつ足元の課題を科学的アプローチで解決支援する若い創業者の着実な歩みは、「持続可能な未来」構築への大きな貢献につながると思います。同社の益々のご活躍を祈念しています。(AS)