挑戦すべきフロンティアは「食」にあり
東京大学発の農業スタートアップ、株式会社CALTA(創業:2021年、本社:東京、以下同社)が挑む新天地は、同社が有する高速育種技術により出来高も品質も気候変動に左右されない農業を構築することだそうです。
これまでの農業は、その土地と気候にあう作物を作ることでしたが、気候の温暖化により収穫量や品質に影響が出るようになっているのは、最近のメディアでも報道されるようになっています。この課題を解決するためには、同社は農業先端技術だけでなく農家と消費者を結ぶ線とその広がりによる面をも考慮にいれて活動しているようです。
同社が現在注力している「イチゴ」ですが、通常10年かかるなか、同社はその高速育種技術により僅か2年で、輸出に適した新品種を開発、長距離輸送でも実が崩れない棚持ち度合いや味など、従来品種に比べ、大幅に優れた品種を生み出したとのこと。元来日本のイチゴは世界的にも高いブランド力を誇っていることもあり、同社は栽培地の気候に合うように自社開発した新種のイチゴをマレーシアで自社生産に踏み切ったことから早速隣国シンガポールから協業依頼があったそうです。同社は、今後、APAC各国、更には米州や欧州・アフリカでの展開を考えているとのこと。
協業にも様々な形があると思いますが、同社の考える農家と消費者を繋ぐというEnd-to-Endのサプライチェーンを前提とした大きな絵図においては、地球上の様々な地域を面でとらえて、それぞれの地域に適した作物を消費者に届ける仕組みづくりも必要となると思います。その大きな展望の中でそのコアとなる同社の高速育種技術とそれによって生み出される新品種の作物は知的財産としてしっかりと保護されていることは必須条件でしょう。着実に、しかし高速で展開されている同社の農業変革活動に敬意を表すると共に益々の発展を祈念しております。(AS)
ANSListsで続きを読む▶︎