雨水貯水地下タンクの短時間設置工事
山国日本においては水に困ることは余りありませんが、それでも水不足による節水や災害に伴う断水に悩まされることがあります。ここでは、1974年創業で福岡に本拠地を構える一級建築事務所で土木開発事業をも営む株式会社大建(以下同社)が開発した雨水貯水地下タンク「ためっと」に着目しました。
同社ウェブサイトによると「『ためとっと』は、当社が開発した住宅地の住民さんの水道代を少しでも減らしたいと、九州大学(当時)の島谷幸宏先生にご指導いただき、開発しました。今では「ためとっと」は国連ハビタット様のご依頼で「ラオス」「ベトナム」「ケニア」に設置をし、現地の人々に安全な水をお届けしています。」とあります。
「ためっと」の詳しい説明は、同社ウェブサイトの「雨水貯水地下タンク」の頁に分かりやすく説明されていますが、「短時間の簡単な工事で大量の雨水を、飲料水並みの水質で貯水する仕組み」という点がとても重要だと思います。これまでは、地下タンクというと大工事でそのコストも高額になる印象がありましたが、同社の「ためっと」は、上述のように短期間の簡単な工事で大量の雨水を貯水するだけではなく、飲料水並みの水質を実現するとのことです。これは単に穴を掘って水が漏れないような細工をするだけではなく、たまった雨水を浄化する仕組みが組み込まれているということですね。更に、「ためとっと」が地下に設置された後、地上には元通りの土が埋め戻されますので、運動場なり駐車場なり自由に使える場となります。この優れものの「ためとっと」には同社が開発し特許登録されている技術が使われているとのことです。当該特許内容を知りたい方は此方から当該特許番号を入力して検索してみて下さい。
何故同社は「ためとっと」を開発したのか、先に記した同社ウェブサイトの「代表者からのご挨拶」にある「ただ利益を追求するだけでなく、世の中が求めていることに興味を持ち貢献することに挑戦をし続ける、社員と共に成長できる組織でありたいと考えています。」という言葉に込められた経営姿勢にあると感じます。言うに易く行うに難いことですが、「ためとっと」を開発されその成果を携えて、日本国内のみならず、東南アジアやアフリカまで足を延ばされてのご活躍、正に有言実行と拝見しました。同社代表のお考えに大いに敬意を表すると共に、同社の益々のご活躍を祈念しております。(AS)