発酵で新しい社会を!
発酵技術を活用するとゴミがゴミでなくなる!
2009年設立のファーメンステーション(本社:東京、以下同社)は、廃棄食品や食品製造・流通過程において無駄となる食品・食材など未利用のバイオマス由来のエタノール・発酵原料の研究開発及び製造販売を手掛けているとのこと。 さらに、同社ウェブサイトによるとエタノール生成過程で発生する発酵粕は、「化粧品の『原料』や鶏・牛の餌に活用し、さらにその鶏糞や牛糞は畑や田んぼの肥料にするなど、ごみを出さないサステナブルな循環を地域コミュニティーと一緒に作り、資源の循環を全てのプロセスに組み込み、パートナーとのコラボレーションを通じて、化粧品原料の開発や、化粧品・日用品・雑貨などの商品開発を行っている」そうです。
昨年2023年には、同社がこれまでの研究開発で蓄積した酵素や微生物の情報をまとめた「未利用バイオマスデータシート2023 (上巻・下巻)」を有料で公開すると共に、今後は更に生産プロセスの設計も手掛け、更にバイオマスのカスケード(多段階のリサイクル)活用にまで踏み込んでいくとのことで、「発酵技術を活用することで、様々な資源が姿を変える駅のような存在になりたい、・・・中略・・・ファーメンステーションを通過すると、必ずいいことがある、前より良くなる」という同社の強い思いが一つ一つ実を結びつつあることが伝わってきます。
同社は、2023年10月6日に経済産業省が後押しする新設の「Jスタートアップ・インパクト」30社の1社に選ばれたばかりではなく、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる米国B LabによるB Corp認証、オーガニック世界統一基準であるCOSMOS認証、95%以上の有機原料を使用したものでなければならない米国農務省(United States Department of Agriculture)オーガニック認証などを取得しており、同社の世界への羽ばたき音も聞こえてくるようです。
同社のウェブサイトを拝見している限りではありますが、同社のあり様はSDGsの幾つものゴールあるいはターゲットを自然体で成し遂げているようで心強く、又、発酵技術を軸にした新しい企業の在り方をも示唆しているように思います。 同社の益々のご活躍とご発展を期待します。(AS)